mECT(修正型電気けいれん療法)のご案内
福井記念病院では、2020年8月から、修正型電気けいれん療法(mECT)を行っています。
mECTは、頭皮に通電し脳を電気的に刺激することにより、様々な精神症状や精神状態を改善する治療法です。現代の方法では、麻酔科医の協力のもと、全身麻酔によって患者様が眠っている間に施行されます。
昏迷状態、うつ状態、急性錯乱状態、幻覚妄想状態など、多くの精神状態に対して高い有効性を示します。急を要する病態に対して特に効果が高く、薬物療法より安全に治療できることもあります。薬剤抵抗性の病態に対して効果を示すこともあります。
短所は、時に効果が持続しないこと、および入院・全身麻酔を必要とすることです。副作用として、一過性の記憶障害などが挙げられます。
とは言え、mECTは、重症またな難治性の病態に対する切り札となり得る、優れた治療法です。
mECTの実際
処置室にて、酸素吸入を開始した後、麻酔科医が静脈麻酔薬・筋弛緩薬を注射します。
続いて精神科医が、「サイマトロン」という刺激装置を使用して、頭部に数秒間通電します。脳内では発作が生じますが、筋弛緩薬の作用により、実際のけいれん発作はほとんど起きません。麻酔から覚醒までは通常20分ぐらいです。
当院では、通常週2回のペースで治療を行います。1クールの治療回数は通常10回程度です。
治療は、日本精神神経学会による講習を受けた経験豊富な医師の指導の下に行われます。
治療に先立ち、ご本人様(または代諾者の方)から文書で同意をいただきます。