作業療法(Occupational Therapy)について
人は、“自分にとって大切な営み(作業)”を行うことで、自分らしく生き生きとした生活を送ることができます。
当院の作業療法では、対象者が大切な作業を再獲得し、自分らしい地域生活へ移行できるよう、他職種・他機関と風通しの良い連携を取りながら、集団プログラムと個別支援をバランス良く組み合わせたリハビリテーションを目指しています。
大切な作業を支援するために
対象者の大切な作業を支援するために、評価ツール等を使用しながら対象者との面接を丁寧に行い、作業ニーズを理解するプロセスを重視しています。その上で各種集団プログラムを活用し、習得モデルや回復モデル、教育モデル等を用いて支援を行っています。
個別支援
対象者の支援として集団プログラムだけではなく、必要に応じて個別の外出や調理練習、保護室での関り、身体リハビリテーション等を行っています。各スタッフで定期的にフリー時間を設け、個別支援の充実に努めています。
認知症リハビリテーション
認知症治療病棟では、集団プログラムと並行して、個別の手厚いリハビリテーションを行っています。対象者本人およびご家族との面接でニーズを伺い、対象者本来のその人らしさを取り戻すための包括的な支援を行っています。
当院で実施している作業療法(OT)プログラム
OT室での活動
革工芸、陶芸、手芸、アメリカンフラワー、ビーズ、塗り絵、プラモデル、書道卓球、エアロバイク、ギター、電子ピアノ、読書、音楽鑑賞、TVゲーム など
病棟OT
カラオケ、軽体操、リラクゼーション、創作活動 など
小集団プログラム
クッキング、園芸クラブ、コーラス、新聞部、わたしゼミ、桜咲IMR など
外出プログラム
社会体験プログラム、スポーツ、海岸散歩 など
個別OT
身体的リハビリテーション、その他必要に応じた内容
多職種連携
当院には、地域移行サポート委員会を中心に構築された「地域移行支援システム」があり、長期入院者の地域移行支援に多職種で協働して取り組んでいます。対象者一人一人のアセスメントに基づいて、地域移行に向けて取り組むべき課題を明確にし、支援プログラムを実施しています。これを通し、入院期間5年以上の長期入院者の退院率も向上しています。より良いプログラムになるよう、日々他職種と意見交換を重ねています。
また、多職種で構成された「食の安全チーム」にも参画し、ミールラウンド等を通して摂食・嚥下に関する身体機能やポジショニングについて介入を行っています。
教育環境
部署全体で月に1~2回、業務時間内に勉強会を行っています。作業療法士としての専門性を深めるためのテーマや新しいトピック、大学教員による特別レクチャー等、皆で研鑽しています。新人・ベテランを問わず事例検討も行い、日々の実践を振り返る機会も設けています。また、学会発表や外部研修等で、当院の取り組みを積極的に外部へ発信しています。
学会発表等
- 2021年度 第55回日本作業療法学会 4演題発表
第7回日本臨床作業療法学会学術大会 最優秀演題賞 - 2020年度 第54回日本作業療法学会 2演題発表
- 2019年度 第53回日本作業療法学会 2演題発表