不眠症について
不眠症は睡眠障害の中のひとつで、眠りが浅い、熟睡しづらい、寝てもすぐ目が覚めてしまう、眠れないといった状態が一か月以上も続きます。睡眠が十分でないと、日中に倦怠感が続いたり、急な眠気が襲ったりするなどの症状が現れるため、生活の質(QOL)の低下や仕事や学校に支障をきたします。
不眠症の主な症状・タイプ
不眠症は症状によって4つのタイプに分かれます。いくつかの症状が複数合わさって現れることもあります。人によって症状のあらわれ方は様々です。
慢性的な寝不足状態が続くと、注意力や集中力、判断力の低下だけでなく免疫力も低下していくので病気にかかりやすくなります。睡眠に関するお悩みをお持ちの方は一度ご相談にお越しください。症状によっては、生活習慣を見直すことで回復することもあります。
タイプ別にみる不眠症
不眠症のタイプ | 症状 |
---|---|
入眠困難 | 布団に入った後30分~1時間以上、眠りにつけない状態 |
中途覚醒 | 一度寝ても、夜中に何度も目が覚めてしまう |
早期覚醒 | 起きる予定の時刻の2時間以上も前に目が覚めてしまって、その後なかなか眠ることができない |
熟睡障害 | 眠りが浅くて熟睡感が得られない |
治療について
薬物療法
不眠症の治療薬として睡眠導入剤を用います。依存性や副作用の心配も少ない安全なお薬を処方いたします。睡眠薬には様々な種類があり、薬の効果・作用が長時間、中間、短時間、超短時間などにわかれています。不眠症の症状やお身体の状態などに合わせて適切なお薬を処方いたします。
生活習慣の改善
お薬の服用と合わせて以下の生活習慣の見直しを図る事で、再発防止や早期回復に効果が期待できます。
体内時計を正しい状態へ戻す
目が覚めたら窓を開けて太陽を浴びる(朝日光浴をすることで、体内時計を正しくすることで、朝起きて夜眠くなるリズムをつけましょう)
過度な運動は神経を高ぶらせます
夕方を過ぎてからの激しい運動やスポーツは控えましょう。ただし、日中に適度な運動を行うことは、不眠症の治療に効果があります。
カフェインの取りすぎ
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインを過剰に摂取している場合は、カフェインレスなどにかえてみましょう。
脳に刺激の強いものを控える
ゲーム、テレビ、スマホ、インターネット、音楽などは睡眠の1時間前には控えましょう。脳に刺激が強いため、神経が高ぶり寝つきが悪くなります。
不眠症のよくある質問
よく眠れず、8時間の睡眠をとることができません
質のいい睡眠をとる事は、現代社会において難しくなってきています。高齢化に伴い、不眠症はますます患者数の増加が懸念されています。必ずしも8時間寝ないといけないわけではなく、翌日眠気などの症状に困らないのであれば6時間程度の睡眠時間でも充分です。
夜中に目が覚めて眠れない
特にご高齢の方に多いお悩み相談ですが、65歳以上の方であれば6時間程度の睡眠で充分です。6時間の睡眠だと夜の8時から寝ると夜中の2時ころに起きてしまいます。このような場合は、眠る時間をずらしてみてください。
早く寝ようと思っていても、なかなか眠れません
人間には体内時計が備わっていて覚醒と睡眠のリズムを1日で調整しています。朝起きたらまず日光浴で太陽の光を全身に浴びると、くるってしまった体内時計がリセットされます。無理に昼寝や早い時間に寝ようとせずに、毎朝決まった時間に起きて、一定のリズムを体に覚えさせることが重要です。
寝る前にお酒を飲めば眠れるようになりますか?
睡眠をとるためにアルコールを飲むことはやめましょう。アルコールは寝つきがよいので、つい頼ってしまいがちです。けれど眠った後にすぐに目が覚めてしまい覚醒しやすいため不眠症の改善に効果は期待できません。寝つきがいいといった効果も徐々に薄まっていき、飲酒の量が増えていく傾向があるので不眠症の為に飲酒をするのは控えましょう。
不眠症の改善のために自宅でできることはありますか
毎日、朝の決まった時間に起きてから短い時間でよいので日光浴をしましょう。昼寝をする場合は、20~30分程度の短い時間で午後3時までにしましょう。
夕方からはカフェインの摂取を控え、就寝時刻の1時間前にはたばこも控えてください。
ぬるめのお風呂に入浴する、軽く読書するなど心身ともにリラックスするための時間を設けることも大切です。