(大人の)発達障がいとは
知的能力障がい(知的障がい)、注意欠如、多動症、コミュニケーション障がい、チック症、発達性協調運動症、情動運動症などは全て発達障がいに含まれます。
生まれつき脳の機能や発達が他の人と異なり、社会生活や日常生活を送るうえで困難や不便をきたします。見た目では発達障がいは見分けがつきません。そのため、本人も周囲の人も発達障がいと気づかずに、行動や言動が問題視されてしまうことがあります。
主な疾患
注意欠如・多動性障がい(ADHD)
多動や衝動性、不注意といった行動は、7歳頃までに現れます。
症状の現れ方によって、多動-衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に3つに大きく分類されます。
多動-衝動性優勢型
- おとなしく座っていられない
- 席から離れる、座っていても手足をもじもじさせる
- じっとしていられずに、動き回る
- 話が止まらず、相手の会話を待てない
- 人の会話に割り込む
など
不注意優勢型
- 学校や会社でのミスが多い
- 一貫して最後までやり通すことができない
- 整理整頓や片付けが苦手
- 忘れ物が多い
- 気が散りやすい
- 宿題や課題に取り組むのが苦手
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群の特徴は以下になります。
- 他社への共感の欠如、社会性の欠如
- 言語が遅れ、奇妙な発語やコミュニケーションの異常が見られる
- 想像力障がいによる行動障がい
- 興味や関心が著しく偏っている
- 協調運動の異常、不器用さ
幼いころから症状が見られますが、小児科などを受診してしまうことでアスペルガー症候群の発見が遅れてしまうケースが多くみられます。大人になると強迫性障がいやうつ病などの合併症や様々な行為障がいを起こしやすいといわれています。
自閉症スペクトラム症(ASD)
幼児期で見られる症状
- 一人遊びを好む、集団で行動するのが苦手
- 自分の会話にしか興味がない、会話ができない
- 自分が好きなことを毎日長時間続ける
- 初めての事柄や決められたルールが苦手、慣れるまで時間がかかる
思春期や青年期に見られる症状
成長に伴い、症状は多様化していきます。対人関係がうまくいかなかったり、他の人と自分を比べて悩んでしまったりすることで、うつ症状や不安症などの合併症を伴うことがあります。幼いころは、病気に気が付かず、社会に出てから仕事などで柔軟に対応することができずに、会社での対人関係に悩んで、病院を受診されることもあります。
治療法
当院では、まずはしっかりと症状についてお伺いした上で適切な治療をご案内しています。薬物治療とともに、日常生活での取り組みやご家庭での過ごし方についてアドバイスしています。
心理検査も実施しています。